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バレンタイン商戦が落ち着いたので(笑)、気になっていたサントリー美術館「IMARI展」へ行ってきました。
【サントリー美術館「IMARI展」】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2014_1/index.html
「IMARI」とは「伊万里焼」の事です。
佐賀県の有田一帯で作られた陶磁器の磁器物で、伊万里港から日本全国へ流通したため、この名前で呼ばれました。
「IMARI展」は、17世紀中頃からオランダの東インド会社によって「輸出された伊万里焼」を中心に作品を展示しています。
毎度のことですが感想が長いです(笑)
それでも良いよ~という方は「つづきはこちら」からどうぞ^^
展示は全部で4部構成でした。
【1. IMARI、世界へ 1660~1670年代】
なぜ伊万里焼がヨーロッパへ運ばれたのか、というきっかけの章です。
実はオランダ東インド会社の中国・景徳鎮磁器輸出の代用品だったんです。
その為、当時の輸出された伊万里焼は景徳鎮磁器を見本・模倣した物や、ヨーロッパの食器の形のものを生産・輸出していました。
特に需要が多かったのが青花磁器(日本で言う染付、青と白の絵柄)、「芙蓉手(ふようで)」という、皿の縁部分に蓮の花をイメージとした絵柄を描いたものでした。
中国・景徳鎮の芙蓉手の大皿との見比べも見所なのですが…
「染付兎文皿」という展示品があるのですが、唐草文様が呉須の濃淡のみでとても美しく塗り分けられているんです。
東インド会社の注文が厳しかったとはいえ、非常に高い技術を持っていたんですね…!
【2. 世界を魅了したIMARI―柿右衛門様式 1670~1690年代】
この時期は伊万里のヨーロッパ輸出の最盛期。
特に「柿右衛門様式」と呼ばれる、乳白色の素地に色絵を施している華やかな磁器が目を引きます。
柿右衛門様式の製品は東洋趣味が流行したヨーロッパの王侯貴族に注文され、後にドイツのマイセン窯、フランスのセーブル窯、イギリスのチェルシー窯などでも倣製品が作られました。
この時期から大物の品物が取引されているのも注目です。
宮殿に飾るのですが、やはり我々東洋人から見ると中々興味深い光景ですね…天井まで所狭しと磁器が並べられています。地震がないって羨ましい(笑)
技術的な進歩ももちろんですが、柿右衛門様式の洗練された絵柄の美しさが際だっていました。
また、染付は染付のみ、色絵は色絵のみ…で描かれている事もチェックです。
後々は染付と色絵の混合作品が出てきて、より一層華やかになります。その前段階ですね。
【3. 欧州王侯貴族の愛した絢爛豪華―金襴手様式 1690~1730年代】
1690年代から人気を博したのは、絢爛豪華な「金襴手(きんらんで)様式」です。
染付(青)、赤絵(赤)、色絵で黄・緑・紫、そして金を施しています。
この金襴手様式を用いた大型の壺や瓶の注文が増え、室内装飾品としてヨーロッパの宮殿や邸宅を華やかに飾りました。
金襴手の商品に影響を受け、染付の絵柄もより一層派手になった印象を受けました。
しかし一方で、景徳鎮などの中国磁器が再び輸出されるようになります。
さらに景徳鎮が今までとは逆に、伊万里のスタイルを模倣した「チャイニーズ・イマリ(Chinese Imari)」を作り出したのも大きな特徴です。
個人的に特筆すべきなのは、ポットとカップ&ソーサーの登場です(笑)
これがもう…可愛いんです…!!!
カップ&ソーサーは、カップの部分に持ち手がありません。
ヨーロッパにお茶が伝わったのが16世紀から17世紀頃だと言われています。
これもやはり中国から伝わったので、同時に茶壺(ポット)と茶杯(カップ)も伝わったと考えられます。
中国流なので持ち手がないんですね。
受け皿も磁器製なのですが、こちらにも見事な装飾がされています。
カップを置くと隠れてしまう中心部分にもしっかりと描かれている物が多く、ソーサー単体としての美術品として成り立ちます。
もちろんカップとセットの図柄です。
日本の絵柄・技術と中国茶器の夢のコラボレーションや…!!!!(笑)
喜びに溢れて、会場で思わずテンションMAXに…!(迷惑)
色絵の調味料入れも素敵すぎ…
……あの…何回宝くじ当たれば買えますか…?(もごもご)
【4. 輸出時代の終焉】
ヨーロッパへの輸出を再開した中国・景徳鎮磁器との競争の結果、伊万里は最終的に景徳鎮磁器に敗れてしまいます。
1740年、ハプスブルク帝国のマリア・テレジアの時代が輸出伊万里の最後の華であり、1757年、伊万里のヨーロッパへの公式な輸出は幕を閉じました。
前半部分は、東インド会社の無茶ぶりに伊万里が何とか応えようとしている感じが伺えます。
職人さんたちの試行錯誤です。
ケンタウロスの絵付けとか疑問を持ちながら描いたんだろうなぁ…
あとは、染め付けの呉須の美しさですね。
やっぱりこの時代の呉須の深く上品な青色は現代には無いなぁと。。。
呉須の材料はコバルトなので、資源です。
資源なので枯渇してしまうのは仕方がないのですが…(>_<)
サントリー美術館はフロアー規模は小さめなので、所要時間はそれほどかかりません。
この展示とコラボしているのか、周りのインテリアショップで取り扱っている商品が、展示内容と似ている店舗がありました。
そちらも楽しめるので、是非展示を見に行った帰りに覗いてみてください^^
そんなこんなで、近所の骨董品を扱っている喫茶店に入り浸る日々です(笑)
江戸時代の色絵の湯飲みが気になってしょうがない(チラチラ)
我慢できずに買ってしまったら、温かい目で見てやってください(´ー`)b★
【サントリー美術館「IMARI展」】
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2014_1/index.html
会期:2014年3月16日(日)まで
開館時間:10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)、最終入場は30分前まで
休館日:火曜日
入館料:一般当日¥1300、一般前売り¥1100
大・高校生当日¥1100、大・高校生前売り¥800
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卒業後、勢い余って陶磁器の街・中国景徳鎮までいっちゃいました。
帰国後はのんびり中国茶生活を楽しんでる今日この頃。
工芸品に目がないです。
最近中国語の勉強と漢方の勉強を始めました。
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